呼応するように、突き出した手の先にも同じ色の光が灯った。
「ああ、姫さま……なんてお美しい」
ディオンのうっとりした声を聴きながら、身体から湧き出る力を器用に操って伐採したザーベスを隙間なく包んでいく。
(まってまって。裏側もちゃんと囲って。うん、そうそう)
ちなみに、ルイーズの目にはこの聖光力が〝綿雲〟のようになって常に視認できているのだが、どうもこれはルイーズ以外には見えないものらしい。
母でさえ見えていなかったのを鑑みると、ルイーズだけの特別仕様のようだ。
(……ほんと、ルゥ、イージーモード聖女でよかった)
細かいことは気にしない。なんにせよ大助かりなのだから、それでいい。
ただでさえ、生まれながらにハードな設定をされている身。
人生のエンジョイレベルをあげるためにも、諸々の補助機能は今後も満載でお願いしたいところだ。
「きれいきれい、してね。毒はいらないから」
ルイーズが強くイメージしてお願いすれば、その通りに力は動いてくれる。
今回の目的は、茎の水や花の蜜を食せるようにすること。
つまり、花全体から毒素を抜いて、人体に害がないものへと浄化できればいい。
(ほんの一滴も残しちゃだめだよ。ちゃーんと、すみまできれいにしてね)
シュウウウ……と音を立てて、紫の煙が花から立ちのぼり始める。
ほぼ同時、凄まじい速さでディオンがルイーズの鼻と口を布地で覆った。
吸い込まないように、という配慮ゆえだろうが、急に背後から引き寄せられたルイーズは、本気で一瞬なにかの襲撃に遭ったのかと思った。
(びっ、くりした……心臓に悪い!)



