「そうですね、どうにかこうにか〝水不足〟を解決できないか模索中ですよ。ああでもないこうでもないと、日夜おふたりで頭を悩ませています」
大変可愛らしく、と笑顔で付け足すと、グウェナエルは苦笑した。
「ルイーズはリュカに付き合っている感じか」
「初めてのお友だちですから、力になってあげたいという思いが強いのかと」
「まあ、ルイーズは優しい子だからな」
「ええ。汲んできた水を浄化しては、それを溜めておく方法を考えたり。せめて河の一部分だけでも綺麗なまま保てないかと試行錯誤してみたり。……いやはや、小さな頭をフル回転させて話し合う姿はとても微笑ましいものですね。あの純粋さを、自分たちはいったいどこへ置いてきてしまったのやら」
「おまえ、純粋な時期なんてないだろう」
「おや、これでも〝純〟な部分はあるのですよ。姫さま相手に限り、ですが」
笑顔で言いきったディオンに、グウェナエルは胡散臭そうな目を向けてくる。
かつて魔界で〝不良極狼〟なんて二つ名をつけられていた過去を知る男は、ディオンの発言が信じられないらしい。まあ、自分でも信じられないのだが。
「なにはともあれ、自分としてはこのまま見守っていただきたいですね。こうして他者とかかわることで、姫さまもどんどん成長しておられますし」
「それは俺も感じていた。よく喋るようになったな、と」
「そうなんです。人なり悪魔なり触れ合いを重ねてきたおかげか、最近は前より表情も豊かになりまして」
なにより、よく笑うようになった。そのぶん〝子どもらしい〟ところは息を潜めだしていて、以前にも増して甘えてこなくなってはいるのだが。



