ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~




「ああ、ディオン。ここにいたのか」

 城の厨房に顔を出したのはグウェナエルだった。軽食を片手にルイーズの部屋へ戻ろうとしていたディオンは、予想外の登場に「おや」と目を丸くする。

「これから姫さま方のおやつの時間なので、サンドイッチを準備していたんですよ」

「サンドイッチ?」

「姫さま考案の軽食です。これが簡単で美味しくて。あ、グウェンさまもよかったら一緒に来られます? 姫さま方もお喜びになりますよ、きっと」

「いや……行きたいのは山々だが、その前におまえに話があってな」

 はて、とディオンは動きを止め、改めてグウェナエルを見た。

「自分に、でございますか? わかりました」

 ディオンは了承しながらも、ちらと時計に目を遣り、時間を確認する。

 ベアトリスひとりに子どもふたりを預けている状態だ。とても利口な子たちだから問題はないだろうが、それでも自身が離れるのは不安がまとわりつく。

「なに、そう時間は取らせん。最近のルイーズたちのことで、少しな」

「ああ……」

 おおよその内容を察して、ディオンは耐えきれず苦笑する。

「口を出すなと言ったのに、とお怒りですか」

「……エヴはな。俺はどちらかと言えば見守りたいという気持ちが強い」

「それはまた。意外ですね」

 グウェナエルはたしかにルイーズを溺愛している。