だからこの恋心は消すことにした。






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sideエイダン



あの日もこんなふうに太陽がキラキラと輝いていた。



「大おじい様!」



離宮の庭で何となく空を見上げていると、秘書官の格好をした少女が明るい声で俺に声をかけてきた。



「大おじい様って呼ぶな」



俺に声をかけてきた少女、ルナに向かって俺は大きなため息をつく。
だが、ルナはそんな俺の態度など気にも留めず「大おじい様は私の大おじい様ですからそう呼びます」と言ってきた。

そうルナは俺とラナの子孫だ。
ラナとの子がまた子を作り、さらにその子がまた子を作り、ずっと続いた連鎖の先にルナは産まれた。

ルナはもう数百年前に死んだラナに瓜二つで、見た目だけではなく、中身もまるでラナの生き写しのような存在だ。
ルナの年齢は18歳。ラナが離宮で働き始めた年齢と同じくらいだ。
ラナが秘書官を辞めてから、ここ数百年、主に俺とラナの子孫が秘書官になることが多かったが、ここまでラナのような秘書官はいなかった。
ラナの子孫だからと魔法使いたちはどの子も大変可愛がっていたが、ルナに関してはそれはもう特別に目をかけていた。
ラナの生まれ変わりではないかと騒ぐ者もいた。
俺からしてみれば、似て非なるものだが。
ラナはこの世にたった1人しかいないのだから。

だが、ルナを始め、ラナの残り香のある子孫たちが愛おしいと思えるのは事実だ。
彼らはいわば、ラナと俺の愛のその先なのだ。

数百年前、生前ラナはいつも俺に言っていた。


「私はアナタより先に逝きます。それでもアナタは決して1人になることはありません。私たちの子どもが、子孫がきっとアナタの側に居続けますから」と。


最初こそ、ラナの言っている意味が全くわからなかった。
ラナがいなくなれば、俺は1人になるし、ラナを失うことが何よりも怖かった。