唇と唇が触れるだけの優しい口付け。
先ほど私からした時は、驚きを隠せない様子のエイダンだったが、今のエイダンは虚ろな瞳のまま、何も感じていないような表情を浮かべていた。
「好きなんです。エイダン。本当に。どうすれば本当だと信じてくれますか」
何度しても慣れないキスに頬が紅潮していくのがわかる。それでもエイダンから目を逸らすことなく、私はまっすぐにエイダンを見つめた。
「…本当に?」
ポツリとエイダンがそう呟く。
「お前の嘘なんて魔法を使えばすぐに見破れるのにどうしてそんなに堂々と嘘がつけるの」
消え入りそうな声でそう言った後、エイダンが悲しそうな、だけどどこか期待するような目で私を見つめ、自身の頬を包む私の両手に手を重ねる。
「…嘘をついていないからです。魔法を使って確認してもいいんですよ」
なので私は努めて柔らかく優しい笑顔を浮かべた。
「嘘だったらお前を殺して俺も死ぬ」
無表情に私をじっとエイダンが見つめる。
きっと今、魔法で私の本心を見ているのだろう。
数秒私を見た後、エイダンはまたほろりとその美しいアメジスト色の瞳から涙を流した。
「…ああ、バカなのは俺だったのかも」
震える声でそう呟き、エイダンが私を抱きしめる。
エイダンの頬を両手で包んでいた私はエイダンの動きによって、自然とエイダンの首に手を回す形になってしまった。
そしてそのまま私はエイダンの頭を優しく抱きしめ、自身の体をエイダンへと寄せた。



