だからこの恋心は消すことにした。






「…はは、あはははっ」



おずおずとエイダンの様子を窺っていると、突然エイダンはおかしそうに笑い出した。
それからひとしきり笑い終えると、先ほどの笑顔が嘘かのようにスッと表情を失くした。



「お前は本当バカだね。それが火に油を注ぐ行為だってわからないんだ」



こちらを睨むエイダンは明らかに怒っていた。
全く私の話を、想いを信じられないようで、まるで私に嘘をつかれたのだと主張しているようだ。
私は嘘などついていないのに。

「ほら、さっさと飲めよ」と、エイダンが蓋の空いた状態の小瓶を私の口元へと近づける。

真剣に伝えても伝わらない。
ならば私はどうすれば…。

何とかエイダンから逃れようと顔を左へ背けば、そこにちょうどあったあるものが私の目に入った。

あれを使えばもしかしたら私の想いが伝わるかもしれない。



「…エイダン」



真剣な声でエイダンの名前を呼び、両手でエイダンのその美しすぎる顔を掴む。



「何」



そんな私を不愉快そうに見るエイダンに私は自身の唇を重ねた。



「…っ」



突然の私からの口付けにエイダンが驚きで目を見開く。
それと同時にエイダンからできた隙を私は見逃さず、左の方へと駆け出した。

それからキャビネットの上に置かれていた花瓶に手を伸ばすと、それを思いっきり床へと叩きつけた。