「…うるさい」
焦る私なんて気にもせず、鬱陶しそうにエイダンが私を窓際へと追いやる。
細身とはいえ、私よりもずっと大きいエイダンに覆い被さられ、私からあっという間に逃げ場がなくなった。
そのままエイダンはグイッと私の顎を掴み、無理矢理私を上へと向かせる。
「…エ、エイダンっ。やめてくださいっ」
逃げ場はないが抗うことを止めるわけにはいかない。
私は何とか顔を横へと逸そうとする。
「やめない」
けれど、私の力ではエイダンには敵わず、顔を逸らすことさえもできなかった。
どうすれば惚れ薬を飲ませることをやめてくれるのだろうか。このままではダメなのに。
泣きそうになりながらも何とか堪えていると、エイダンの小さな消え入りそうな声が耳に届いた。
「そんなに嫌なんだ」
どこか辛そうに笑うエイダンに胸が痛くなる。
嫌ではない。むしろその薬を飲んだとしても私には効果がないのだ。私はもうエイダンを好きだから。
ただエイダンがもっと苦しくなるだけなのに。
「わ、私はエイダンが好きです。エイダンと同じなんです。だからそんなもの飲む必要がないんですよ。こんなことやめましょう」
頬を赤くして、必死にエイダンに自分の想いを伝える。
どうか今度こそ私の想いが正しく伝わって欲しいと祈りながら。
すると、私の顎を掴んでいたエイダンの手が下へと落ちた。
私の想いがちゃんと伝わった?



