だからこの恋心は消すことにした。






「わわわ私がですか!?おおおお、おこがましいにもほどがあります!」



あまりの衝撃に思わず、顔を真っ赤にして叫ぶとレストランの店員さんから「店内ではお静かに」と軽く注意されてしまった。

…ゔぅ、ごめんなさい。



「…取り乱してしまいました。ごめんなさい。ですが、本当に私には到底無理な話で…。今のままでいいと言いますか…」

「今のままって?現状維持ってこと?」

「…そうです。エイダンが私の想いを不快に思わず、受け入れてくれるだけでもう十分なんです。想うだけで私は満足なんです。幸せなんです」

「…」



私の答えを聞いてカイが何か考えるように押し黙る。
私はそんなカイを見つめながら、落ち着くためにも先ほど切っていたステーキを口に入れた。
もぐもぐとゆっくりとステーキを噛み締めながら、改めて自分の想いを整理していく。

私はエイダンが好きだ。
エイダンが同じ気持ちかもしれないという図々しいが、淡い期待さえもある。
アランが言っていたことなのできっとそうなのだろう。
もちろん一番嬉しいことはエイダンと両想いになり、恋人になることだ。
だが、気まぐれで気分屋なところのあるエイダンだ。
いつかきっと私に飽きてしまうだろう。
恋人になれば必ず私たちの関係は未来まで続かない。
終わりの来る関係だ。

そう思ってしまうとエイダンに想いを伝えようとは思えなかった。
いつか終わりの来る関係なら最初から築かない方がいい。
このままずっとエイダンに拒否されず、想い続けている方がずっと幸せだ。