だからこの恋心は消すことにした。





少しだけのつもりが、気がつけば1時間は仕事に没頭してしまった。
コップに入っていたストロベリーラテも当然もうない。
この甘い飲み物のおかげで疲れを忘れて仕事に没頭できてしまったのだろう。

私にもストロベリーラテを分けてくれたエイダンには感謝しなければ。

そう思いながら、先ほどまでエイダンがいたであろうベッドへと視線を向ける。



「…っ!」



そして私はそこでエイダンと目が合い、声にならない悲鳴をあげた。

な、何で、エイダンがまだそこにいるの?

私はもうてっきりエイダンはこの部屋から姿を消したと思っていた。
私にストロベリーラテを渡した後、エイダンの声が聞こえなくなったからだ。
それなのに今、そのいないはずのエイダンがつまらなそうにこちらを見ている。



「ず、ずっといたんですか!」

「そうだけど」



驚く私を見て、エイダンが不思議そうに首を傾げる。
まるで私が何故こんなリアクションをしているのかわからないようだ。

そういえばこんなふうに夜ではなかったが、エイダンが突然朝から秘書室へと押しかけてきて、ずっと秘書室でケーキやらお菓子やらを食べながら1日中私を見ていた時があった。
その時は疲れている私をクスクスおかしそうに笑いながら、その口に食べ物を頬張り、気まぐれに私にいろいろな食べ物を与えていた。

何がしたかったのか、何が楽しかったのかよくわからなかったが、あの時に今はよく似ていた。
やはり、魔法使いは変わり者で、浮世離れしており、人間では到底理解できない面がある。



「…ふぁ、お前は本当に馬車馬のように働くね。待ちくたびれたよ」



私のベッドの上で眠たそうにあくびをするエイダンに私はハッとする。
よくわからないが、どうやらエイダンは私のことを待っていたらしい。



「ご、ごめんなさい!エイダン!まさか私の仕事を待ってまでしなければならないことがあったとは…」



私は慌てて椅子から立ち上がり、エイダンの方へと駆け寄った。