だからこの恋心は消すことにした。






「髪、ありがとうございました。ちょっと自主的に仕事をしていただけですし、すぐ終わらせて髪も温風機で乾かすつもりでしたから可哀想ではないですよ」



表面上は私を憐んでいるエイダンにお礼を言ったのち、私は状況を説明する。
私は別に憐れまれる状況ではないのだ。
おそらく〝かわいそう〟な私を見て愉快に思っているエイダンに私は「好きでやっているんですよ」と微笑んで、またノートへと視線を移した。

自主的にやっているとはいえ、仕事は仕事だ。
明日以降も効率よく、仕事をする為にはもう少しこの確認の作業をしておきたい。

きっとエイダンは気まぐれに私の部屋に来たのだろう。
仕事に没頭する今のつまらない私を見れば、勝手に消えるはずだ。
そう思って作業を再開すると、ドカッと乱暴に私のベッドへと座るエイダンの姿が視界の端に見えた。

…エイダンはここに居座るつもりなのだろうか。
実は何か大事な話があってここへ来た、とか?



「…お茶でも飲みますか?」



ここへ留まる様子のエイダンにそうおずおずと聞いてみる。
するとエイダンは「ストロベリーラテ」と言って、魔法で苺とミルクとコップと砂糖と生クリームを出してきた。
エイダンが出したそれら全てが私の机へとところ狭しと並ぶ。

よくわからないが、エイダンはここへ留まり、ストロベリーラテを飲むらしい。

私は椅子から立つとエイダンが用意してくれた材料と部屋に置いてある料理器具を使ってさっさとストロベリーラテを作り始めた。
それから完成したストロベリーラテをエイダンに渡すと、私はまた仕事を再開した。
仕事の途中、エイダンが急にこちらに近寄り、「お前も飲め」とストロベリーラテを渡されたので、ストロベリーラテをお供に。