だからこの恋心は消すことにした。






それが俺を酷くイラつかせた。
ほんの少し前までは俺の一挙一動に振り回されていたはずなのに。


グシャッ



「あっ」



ラナの頭に置かれていた花の冠を乱暴に掴んで潰す。
そしてそれを空へ投げると俺は魔法で燃やしてみせた。



「な、何で…」



灰になった花の冠を悲しげにラナが見つめている。


他人の苦痛が俺は好きだ。
だからラナのこの表情も好きなはずだ。

それなのに。



「…」



どうしてこんなにも気持ちが晴れないのだろう。



「お前なんて一生結婚しなければいいんだよ。一生1人でいろよ」



俺は吐き捨てるようにラナにそう言うと魔法でその場から消えた。

何故かこれ以上あそこに留まりたくはなかった。



*****




「お前がこんなところで呑んでるなんて珍しいな」



離宮の談話室で何となくお酒を1人で呑んでいるとマテオが俺に物珍しいそうに声をかけてきた。



「そう?」

「そうだろ。なぁ、俺も一緒にいいか?」

「…好きにしたら」



俺が座っているソファの反対側のソファにマテオがドカッと座る。
そしてテーブルに並べられているお酒を物色し始めた。



「相変わらず甘いもんばっか呑んでんな」

「美味しいからね」

「俺は苦手だな」

「あっそ」



俺と会話をしながら慣れた手つきでマテオが自分のお酒を作る。
文句は言っているが呑まない選択がコイツにはない。
マテオは一口お酒を呑んで「あっま」と舌を出していた。