「…葉月も行かない?」

羽生を見ながらあれこれ考えていた葉月は、茅乃に話しかけられてはハッと我にかえった。

「えーっと、なんだっけ?」
「も〜!土曜に北高の男子と遊ぶから、葉月も行かない?」
「あー…土曜は予定あるから。」
「えー残念ー!葉月彼氏欲しいって言ってたのに〜!」

———ははは…

葉月は愛想笑いを浮かべた。

(北高の彼氏が欲しいとは言ってないけど…それに彼氏いるし…)

葉月は彼氏ができたことをなんとなく友人たちには言わないようにしていた。
あれこれ詮索されるのが面倒だし、翔馬と付き合い出したことが葉月の中で誰かに話したいほどはしゃぐようなことでもないように思えた。

(翔馬先生…じゃなかった、翔馬くんは大人で落ち着いてるからこっちも落ち着くっていうか…)

彼氏は落ち着いた歳上の人が良い、と思っていた葉月にとって翔馬は理想的と思える相手だった。