【侑輔 ステッカーめちゃくちゃ喜んでて】
【一番大事なレシピノートの表紙に貼ってた】
【ありがとう】

羽生と出かけた日の夜、早速羽生からLIMEのメッセージが届いた。
レモンのステッカーが貼られたレシピノートの写真つきだ。

【そんなに喜んでくれたなんてうれしい】
【かわいすぎる♡】
喜ぶハチのキャラクターのスタンプをつけた。

(羽生くんて、LIMEとかするんだ。ほんとに全然知らなかったんだな、羽生くんのこと。)

間を置いてまたメッセージが届いた。
【彼氏大丈夫?】
【なんかあったら言って】

(…そう、私が今考えなきゃいけないのは翔馬くんのこと、だ…) 
現実に引き戻された葉月は溜息を()いた。

【明日 会って話すことになってる】
【大丈夫だと思うよ】
【ありがとう】
ぺこりとお辞儀をするハチのスタンプを送った。


翌 日曜日
葉月は令和通りのカフェで翔馬と待ち合わせをした。
今日もメガネをかけている。
(羽生くんがバイトしてるかもしれないって思うと気まずいな…)

(けど、いつも行ってたのに今日だけ断るのも変だったし…)

羽生がいるかもしれない、と思えばどこか心強い…と思うことにした。

「お待たせ。入ろうか。」
「うん…。」

いつも通りのこの店のアイスティーは今日も味がしない。

「え…」