「バーベキュー?」
「そうそうBBQ(ビービーキュー)!再来週の木曜日って創立記念日で休みじゃん?だから、クラスの親睦会も兼ねてバーベキューやろうって。用事あったら参加しなくても大丈夫だけど。」
茅乃が葉月に説明した。
「用事ないから大丈夫。参加する。」

「とゆーわけで、バーベキュー…」
「不参加で。」
葉月は羽生を誘ってみたが、けんもほろろに断られてしまった。
「クラスの親睦会だよ?先生もちょっと顔出すらしいけど。」
「親睦深めたいと思ってない。」
「さすが羽生くん…」
とりつく島もない羽生の断り方に、葉月は肩をすくめた。
(まぁ羽生くんは行かないだろうと思ったけどさー最近前よりは打ち解けてきたような気がしたのになぁ…この間のラクガキの件とかさぁ…)

———お礼はするから、なんかあったら言って

(あ)

「お礼…!」
葉月の表情がパッと明るくなった。

「は?」
羽生はいつもの怪訝な顔だ。

「この前、お礼するって言った!お礼にバーベキュー来てよ。」
「ノートの見返りが休みの日のバーベキューって、割りに合わなすぎだろ…」
「でも、羽生くんが条件つけなかったんだよ?思いついたら言って、って。」
葉月は羽生がいつも見せるような不敵な笑みで言った。