「友だち?」
『うん。葉月のこと話したら会いたいってさ。次の日曜にみんなで遊園地行こうって。』
葉月は翔馬と電話で話していた。

「遊園地…」
『嫌い?』
「ううん!好き。おばけ屋敷とかはちょっと苦手だけど。」
『じゃあ絶対おばけ屋敷行こ。』
「えーひど〜い!」
二人は電話越しに笑い合った。

(日曜は行きたい展示があったけど…遊園地も楽しそうだからいっか。翔馬くんの友だちってことは大学生だよね…大人…)


日曜日
「高校生なのに大人っぽいね〜!」
遊園地の入口前で葉月は翔馬の友人たちに囲まれていた。
「いいなー女子高生ー!」
男子も女子も“女子高生”の葉月に興味津々だ。
“高校生”や“女子高生”を連発されて、葉月は教室で興味のない話を聞いているときと同じような愛想笑いをしてしまう。

「お前らあんまりグイグイ来るなよ、葉月がビビってんじゃん。」
「そんなことないよ!大丈夫です、よろしくお願いします!」
葉月は緊張気味にペコっと頭を下げた。
「か〜わい〜!」
そう言われた葉月はまた、ハハハと愛想笑いをした。

その後はみんなでジェットコースターやゴーカート、シューティングゲームを楽しんだり、食事をしたりして楽しい時間が過ぎていった。