次の日。

朝ごはんを食べるために、寮専用の食堂に入った時。私は驚きのあまり、ひっくり返るかと思った。

だって、私の目には……


「おい、どけよお花畑。そんな所でボーッと突っ立ってると轢くぞ」

「(あぁ、なんで、なんで……っ)」


声宮くんの左手の薬指に……私と繋がる赤い糸が、なぜか巻かれてある。


「(なんで声宮くんの薬指と結ばれてんの!?私の赤い糸ー!)」


よりにもよって、声宮くん……。あの口が悪くて偉そうで、すぐに舌打ちをしてため息をつく、あの声宮くん。


「(という事は、声宮くんが私の運命の人!?ウソでしょー!最悪だ……!)」


あ、だけど……


――怪我は?


たまに優しいところも……あったりするんだよね。声宮くんは。


「おいお花畑、その耳は飾りかよ。聞こえてんのか?」