「ご、ごめん遅れちゃった!」


何度目かの、私とデートの日だったのです!


「ほら芽衣。手つなぐぞ」


私に差し出された凌久くんの手。その指に光る、皆にも見える指輪。肌に馴染む、ピンクベージュの指輪。


「きれい……」

「また指輪を見てんのかよ」

「何度見ても嬉しいものなの!」

「はいはい。で――こっちは?」


いまだ空の手を、ぶらぶら動かす凌久くん。


「俺だって、芽衣と手を繋ぐのは何度だって嬉しいけど?」

「ッ!」


いつも強めな彼の、時たま甘いスパイス。


「ツンとデレのコンボ……強いっ」

「なんだよ、それ」

「ふふ、内緒!」



その合わせ技に、今日も私は赤面中です!




【 抜けがけ禁止×王子たちの溺愛争奪戦 】


〈 END 〉