「ん、ごめ……っ」


顔を上げた芽衣を見て、ビックリした。だって、今にも泣きそうな目をしてたから。


「目にゴミでも入ったのか?見せてみろ」

「ちが、違くて……」


じゃあ何だよ?

お手上げ状態の俺が、芽衣が落ち着くのを待つ。すると芽衣は頬をパチンと叩いて、何やら気合を入れた。

そして真剣な目をして俺を見て、


「これから私が話す事、聞いて欲しいの」


と、そう言った。そんな改まって言われたら、頷くしかない。そんな俺を見て、芽衣はゆっくりと深呼吸をした。

そして――


「じつは私……赤い糸が見えるの」


とんでもない事を、俺に打ち明けるのだった。




*凌久*end