ガチャ
「お邪魔しま~す……」
凌久くんの部屋が遠くなくて良かった。だって、凌久くんすごく重たいんだもん……!
半ば引きずりながら、私は何とか凌久くんを担いで移動することが出来た。
私の顔のすぐ横に凌久くんの顔がある――
って最初はドキドキしたけど……。そんなドキドキは、重労働と引き換えにどこかへ行った。
「ほら、凌久くん。部屋に着いたよ、ベッドに横になれる?」
「ん、……なれる」
と言ってベッドを目指すまでは良かったんだけど……。凌久くんは、私を巻き込んでベッドに倒れ込んでしまった。
ボスンッ
凌久くんに押し倒された私は「ぐえ!」と、動物みたいな声を出してしまう。
「凌久くん……お、重たい……っ」
「我慢、しろ……。俺も、我慢、してんだから……」