それは、付き合うか否かの問いに聞こえた。

風吹の口元は、珍しく微笑んでいて。


あぁ、好きだ……って思いながら、あたしは無意識に頷く。




「はい」




あたしの答えを聞いて、風吹は初めてするように、ゆっくりと唇を重ねた。




……ぐぅぅぅぅ


「……?」


「はっ……!」




あたしの腹が盛大に音を立てたのは、そんな時だ。

風吹はきょとんとして、あたしを見下ろす。

あたしは別の意味で真っ赤になった顔を、必死に背けた。




「……」


「い、いや、あの、これは、その……っ!」


「……腹、減ってるのか?」


「い、いいい、いやぁっ?」


ぐぅぅぅぅぅ


「くっ……!!」


「……ふっ。飯、食いに行くか」




風吹は初めて柔らかく笑うと、あたしを抱き起こす。


そんなこんなで、あたし達の“一生に一度”の告白は、締まらない形で終わった。