「嫌なら、逃げればいい。……“最強の不良”なら、俺の拘束も解けるだろう?」


「んんんっ、い、いえ、私は最強でも、不良でもなくっ!」




迂闊に逃げられない!


胸に当てた手に力を込めれば押し返せるのに、風吹(ふぶき)が逃げ道を断つせいで、ぎゅっと目を瞑ってキスを受け入れるしかない。




「この程度じゃ言う気がないのか……それとも、俺にキスされたくて黙ってるのか?」


「ちっ、ちがっ……!! ほ、ほんとに、抵抗する力がないんですっ!」




真っ赤になって弁解すると、風吹は青空の下で「ふぅん?」と目を細めた。

とんでもない量の色気をダダ漏れにさせて、耳元に口を寄せる姿に嫌な予感がしても、もう遅い。




「……明日も、ここで」


「ひゃっ……あ、明日もっ!?」