人を殺していながら、私を殺していながら、そしてそれを己の実験だと愉悦を覚えていながら、繰り返した男が――いざ、私に刃を向けられて、悲鳴をあげるというのか。

矢も放たない男が、背を向けた。一目散に走り出す。

逃がしてなるものか。逃がしてなるものか。

私には、悲鳴をあげるいとますら与えなかったにもかかわらず、自分が死を直前にした時、それを否定するなんて。

与えてやる。

残酷な、過程を含む、死と恐怖を。

凪いでいた心に、

「ふざけているのは、アナタです」

正義でも粛正でも運命でもないものが、息をついた。

それは定義して、復讐といわれる。

私の掴んだ意義は、鋭かった。黒かった。柄も鍔も刃も……なにもかも、漆黒だった。

そう、私は最初から、復讐すると誓っていたのだ。

だから死を受け入れず、代わりに†を理解し、真実を見て、自分を再構築した。

この手に、剣を取った。

私を殺した男を、私の手で殺すために。