クララの変化を一番喜んでいるのはギュンターだった。
なかなか赤ちゃんを授かれないことを悩むクララはとても痛々しかった。
ギュンターも子どもが好きだったし、
いつかは授かれたらいいなと思っていたが、
クララはギュンター以上にその思いが強かったようだ。

クララから「アランに診察を受けてみてはと勧められた」という話を聞いた時は
これだと思った。
不妊は自分に原因があるのではと思い詰めているようだったし、
この診察で問題がないと証明できればクララの気持ちも晴れるだろう。
万一疾患があった場合は、治療すればいい。
早速診察を受けることにしたのだが、結果は2人とも健康そのもの。
診断結果を聞いたクララの顔にも明るい表情が戻った。

「妊娠」という呪縛から解放されたクララは最近はよく出かけるようになった。
ユリウス国王と再び結ばれたジゼル王妃と乗馬にも出かけているようだ。
王妃の乗馬の腕前は格段に上がっており、最近では護衛をつけて王城の外にも出ているらしい。