「わざわざ君が行かなくても、私はここにいるよ。クララ。」
突然現れたギュンターの姿にクララは目をパチクリさせる。
「団長!どうしてここに??」

「君に逢いたくて・・・」
そう言ってクララの手の甲にギュンターが口づけを落とすと、
クララは顔を真っ赤にさせた。

「君が私に何も言わずに騎士団を出て行って、私がどれだけショックを受けたか分かるかい?」
「それはごめんなさい。」
「しかもどこぞの貴族の男と結婚するというじゃないか。」
「だってお父様が結婚しなさいって。」
クララが一生懸命弁解する姿が可愛くて、
ついつい意地悪をしてしまう自分は重症だ。

「あの手紙に書いてくれていたことは本当かい?私を慕ってくれてるって。」
「はい。団長・・・いえ、ギュンター様のことが好きです。」
「じゃあ、私が君を欲しいと言ったら君は私を受け入れてくれるかい?」
クララは顔を真っ赤にさせながら何度も力強く頷いた。
たまらなくなったギュンターはクララの白い腕を引いて、その唇に深く口付ける。
どれくらいそうしていただろう。
クララとの口づけは甘く、ギュンターの心を温かく満たしていく。
これ以上ないくらいギュンターは幸せを感じていた。