幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~

替え玉役のテオとマーサが会場に戻るのをクララは見送る。
(さぁ、タイムリミットまでにやり遂げないと!)

今日は日曜日なのでおそらくギュンターは非番だ。
シフト制の騎士団と違い、参謀本部は日曜は公休日となっている。
ギュンターは休みの日だからと言って実家に帰省したり、
どこかに遊びに行ったりするような人ではなかったと思う。
騎士団の宿舎にいるか、国王陛下の側にいるかのどちらかだ。

ということは、私は今から騎士団に行かなければいけない。
もう騎士団員ではないけれど、
忘れ物を取りに来たとかなんとか言えば入れてくれるはずだ。
ここから騎士団へは歩いたら1時間半はかかる。
そんな時間はないので、馬に乗っていくしかないだろう。
そう考えたクララは裏口を通って、広大な庭園の奥にある厩舎を目指した。