「へぇ、悠理よかったじゃん!ようやく友達できたんだな…!」

「おめでとう。これで、私と咲人も安心できるわ」

「うん…!本当に良い人でね〜。今日もクラスまとめてくれて助かったんだ」

帰宅後、私は中学時代の友達と今日の出来事をグループ電話で報告していた。

「ハァ…あんたが事故にあったって聞いた時も心臓がとまるくらい心配したけど、ぼっちで過ごしてるって聞いて…私、転校まで考えたんだからね…!」

そう言って、涙声でくすんと鼻をすするのは楠木(くすき)花鈴(かりん)。

中学1年生の時に仲良くなり、それから3年間ずっと同じクラス。1番の親友だ。

現在は、彼女の家から徒歩15分距離にある私立の女子校に通っており、休みの日予定が合えば遊んだりもしている。

そして。

「俺もひと安心だよ」

ホッとしたように声をかけてくれるのは、大谷咲人(さきと)。

こちらは中学3年のクラス替えで仲良くなった。

高校は、県内でもトップクラスの進学校に通っている。