思わず感極まってしまった。

「私、学級委員として文化祭の準備頑張るよ。それに友達作りも最近ちょっと諦めてたんだけど…観月くんのおかげで頑張ろうって思えたし…これを期に少し他のクラスメイトにも声かけてみるね!」

そう高らかに宣言し、私は観月くんに向かって満面の笑みで答える。

「そっか…。高梨さんなら大丈夫。すぐ皆と仲良くなれるよ。さ、この提出プリント書き終わったしそろそろ行こうか」

机の上に置かれていたプリントを手に取り、立ち上がった観月くんは小さく微笑んでくれた。

「うん!」

私もそんな彼の後に続いて椅子から立ち上がると、先生に提出するために一緒に職員室へと向かう。

私、高梨悠理はこうして、高校で初めて友達ができたのだった。

しかし、この日を境に今まで過ごしてきた平穏な日々が一変してしまうことを私はまだ知らない――。