「え、観月くんやるの?」

「それなら私、学級委員やったのに〜」

ザワっと教室内がざわつく。

それはそう。

クラスの人気者の観月くんだもん。
一緒にやりたい女子生徒も多いはず。

もしかしたら、今私が出来ないと言えば誰かが代わってくれるかもしれない。

そんな淡い期待を募らせ、私がおそるおそる手を挙げて発言しようとした時。

「高梨さん、一緒に学級委員頑張ろうね」

と、観月くんが満面の笑みでそう言うものだから…今更、代わりたいなんて言い出せる空気ではなくなってしまう。

そんな私に残された選択肢はただ1つ。

「…は、い。頑張ります…」

蚊の鳴くような声しか出なかったが、肯定の意を示すこと。

「いや、よかった、よかった!二人のおかげでスムーズに決まったよ、ありがとな!それじゃ、次の学期からは観月と高梨で学級委員よろしく」