乙女は今日も夢を見る


私は、彼らのように目立ちたいわけではない。

ただ、普通に女子の友達を作って、放課後に寄り道したり、休日はショッピングしたり…そんな平凡な高校生活を過ごしたいだけなのだ。

「それじゃ、ホームルーム始めるぞ〜。今日は…」

担任が教卓の前に立ち何かの説明をしていたが、観月くんとの関わり方を考え込んでいた私は、話半分しか耳に入ってこない。

そうだ!
観月くんにとりあえず、後で教室では極力話しかけないでほしいと言ってみようかな…。
ちゃんと説明すればわかってくれるよね。


自分の中で、そのような結論に至った瞬間。

「…じゃあ、高梨。任せて大丈夫か?」

「は、はい!」

突然、大きな声で担任から名前を呼ばれ反射的に返事をしてしまった。

「そうか、いや〜助かるよ。じゃあ、女子は高梨で決定だな。男子は〜誰かしてくれるヤツはいないか?」

え…?な、なに?何の話??