高梨さんの荷物…?

なんで大谷くんが?と疑問に思いつつ『空き教室に置いてあると思うけど…』と返答した。

『空き教室ね。悪いけどそこまで案内してくれない?』

サッときびすを返し、唐突に歩き出した大谷くんに俺はあ然とする。

しかし、結局そのまま放っておくこともできず、

『悪い、畠中。ちょっとクラスの方任せる』

隣にいた畠中にそう声をかけた俺は大谷くんを追いかけて歩き出していた。



『それで、大谷くん。高梨さんは…?』

空き教室に向かう途中、隣を歩く大谷くんに俺は先程から感じていた疑問をぶつけてみる。

『保健室』

『は?保健室!?高梨さんどっか具合悪い…のか?』

『…ハァ。誰のせいだと…』

こめかみを抑えて、ため息をつく彼に俺は首をひねった。

それってどういう…。

『さっき、廊下で女子と話してたろ?あの時、俺と悠理近くにいたから…。それだけ言えばわかるだろ?』