バックグラウンドから在庫を確認してくれた花木さん。

彼女は、そのまま視線を私の隣に立つ咲人に笑顔を向ける。

そして。

「高梨さんのお友達ですよね?はじめまして。同じクラスの花木杏樹(あんじゅ)です」

咲人に向かって、挨拶をした。

「どうも、大谷咲人です。悠理と仲良くしてくれてるんでしょ?ありがとね」

と言い放ち、笑顔を振りまく咲人に対して、私は「ちょっと咲人、あんたは私の保護者なの…?」思わずツッコミをいれる始末。

「ふふ。二人って仲良しなんだね〜。なるほど、なるほど」

ニヤニヤ楽しそうに私達を交互に見つめ、1人で何かを納得したように花木さんは頷く。

え、何が"なるほど"…?

そんな彼女の言葉に私がハテナマークを浮かべていると。

「はいはい…保護者みたいなもんだって。っと、じゃあ花木さん俺、パウンドケーキとマドレーヌ1つずつお願いできる?」

「はーい。ありがとうございます。350円です」

サッサと注文を済ませる咲人。

相変わらず判断が早い。