咲人にそんな説明をしながら廊下を歩いていると、すれ違いざまに感じる女子生徒たちからの熱い視線。

チラッと控えめに見る子もいれば、ガッツリ二度見してくる子もいる。

前回の校門前でもそうだったが、やはり顔が良いと嫌でも注目を集めてしまうのだろう。

まぁ…当の本人は、この前と同じで全く気にしてないみたいだけど。

校舎から体育館に向かう道すがら、ヒシヒシと感じる視線に私は疲れてしまい…。

ようやく料理部の屋台にたどり着いた時には披露困ぱいの有様だ。

「あ…!高梨さん、来てくれたんだ〜。いらっしゃいませ。てか、なんか高梨さん疲れてない?大丈夫…??お化け役頑張ってたもんね」

テントの中、エプロン姿で焼き菓子を売っている花木さんが近づいてきた私達に気づき声をかけてくれる。

「ありがとう…。花木さんも大盛況だね!まだ残ってる??」

「約束通りとりあえずクッキー確保しといたよ〜。あと残ってるのはね、マドレーヌとかパウンドケーキとか!」