*****

「咲人ゴメン。遅くなっちゃって…」

唯南ちゃんと別れた後、私は急いで咲人が待つ隣のクラスのカフェに足を運ぶ。

ハァハァと肩で息をする私の姿を見て、咲人はクスッと微笑んだ。

「そんなに急がなくてよかったのに、本当、悠理は相変わらずだな〜」

なぜかおかしそうに笑う咲人に私は首をひねる。

そんな笑うようなことしてないんだけど…。

「さてと、じゃあ行くか。そう言えば悠理は行きたい所ある?」

「あ、料理部の屋台!クラスメイトの花木さんって子が料理部でね、買いに行くって約束してて…」

「わかった、そしたら料理部な」

サッと立ち上がった咲人は教室を出るため出口の方へと、ゆっくり足を進める。

私もそんな彼の後に続き、教室の出口へと向かったのだった――。


「それで、料理部の場所は?」

「えっとね…体育館の近くって花木さん言ってたからとりあえずそっち方面に行こうかと…」