「高梨さんも迫真の演技だったよ〜」

「いや、ほんとそれな!高梨さんがラスト後ろにスッと来る演出怖かったよなぁ」

「あ、ありがとう」

午前グループの皆から労いの言葉をかけてもらい私も自然と笑顔になった。

夏休み期間中の準備も大変だったが、これだけ大盛況だと頑張ったかいがあるというものだ。

「じゃあ、午後グループも頼んだぞ〜」

「観月、畠中気合入れろよー」

午後グループの男子たちが、午後グループの観月くんたちにそんな言葉をかけているのが聞こえてくる。

「おう。任せとけ」

「お前らも客として来てもいいぞ?俺と観月で怖がらせるから」

「ぜってーやだ。俺怖いの無理だし」

なんて冗談を言い合う様子は、普段の観月くんと変わりなくて。

さっき、表情が固かったのは見間違いだったのかもしれないと考えていた時だった。

「ね、ねぇ…。高梨さんちょっと…!」

「…木山さん?どうかしたの?」

クラスメイトの木山さんが慌てたように私に声をかけてきた。