ニコッと可愛らしく微笑む姿は、お母さんというより、お姉さんにしか見えなかった。
「いえ、あのこちらこそこの前は猫の件でお世話になってしまって」
「ふふ。気にしないで?うちの両親動物好きだし、きなことあんこも、なんだかんだおもちちゃんともすっごく仲良しみたいよ?ほら」
そう言って、観月くんのお母さんはポケットからスマホを取り出し、私にある動画を見せてくれる。
…!!
そこに写っていたのは先日おじゃました、観月くんのおじいさんの家の居間で3匹の猫が寄り添って寝ている映像だった。
「わぁ…ほんとに仲良くなってる。よかったです。見せてくださってありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそプリント届けてくれてありがとうね。彼方にも悠理ちゃんが来てくれたことはちゃんと伝えとくからね?」
パチッと、素敵にウインクするお母さんに私はクスッと笑みを浮かべる。
「いえ、気を遣わせちゃうの嫌で特に観月くんには連絡せずに来たので…」
「あらそう…?彼方の場合、悠理ちゃんが来てくれたこと知ったほうが風邪も早く治りそうだけどね」



