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「8月終わったっていうのに…暑すぎ…」
「この暑さいつまで続くんだろうね」
観月くんの家に向かう道中、私と如月さんは、暑さにやられそうになりながらもなんとか足を進めていた。
ジリジリと気を抜けば火傷しそうなくらいさす太陽の光で熱されたコンクリートの照り返しがキツい。
「如月さん、あとどのくらい…?」
「もう少しだよ。というか…観月の家に行く前にうちの家があるから高梨さん、ちょっと休んでいって?」
「…!ありがとう〜」
如月さん…女神だ…。
「ほら、あの青い屋根が私の…」
そう如月さんが言いかけた時。
「あら?唯南…?」
私達の後方から、如月さんの名前を呼ぶ若い女性の声が聞こえてきた。
クルリと声のする方向を振り返ると、そこに立っていたのは小学生くらいの男の子と日傘をさした20代後半くらいの女の人。
「真唯(まゆ)姉ちゃんに…虎太郎?え、何でここに??」
ギョッとした声を上げたのは如月さんで、相当ビックリしたのかパチパチと目をしばたたかせている。



