観月くんはそう言って、夏の太陽に負けないくらい眩しい笑顔を浮かべた。
それを見て「やっぱり2人は、お互いちゃんと話し合った方がいいんじゃないか」と感じたけれど…そこまで立ち入った提案をすることはできなくて…。
そんなモヤモヤが心の内でくすぶる。
すると。
「あ、高梨さん。ほらあそこが俺のじいちゃんの家だよ」
不意に観月くんから声をかけられ、私は彼の視線の先を目で追った。
わ…。大きい家!
前方に見えるのは、大きな木造住宅。
築年数はそれなりに経っていそうだが、庭も広く、植えられている花や緑も生き生きと咲きほこっているのが印象的だ。
家の前までやってくると、観月くんはおもちが入ってるカゴを地面にゆっくり置く。
そして。
「ちょっとここで待って。じいちゃん達に声かけて…」
と言いかけた時。
「お〜、彼方じゃないか。猫連れてきたんか?」
突然、玄関の扉がガラリと開き、顔を出したのは70代くらいのおじいさん。



