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その日は、ポカポカ日差しが暖かくて…いつもの裏庭にあるベンチで僕はゴロンと寝転んでいた。

僕の名前は、おもち。

年齢はわかんないけど、たぶん1歳と少し。現在、気ままな野良猫ライフを送っている。

ちなみに、野良猫なのに何で名前があるのかというと…数ヶ月前、ある女の子が名前をつけてくれたからなんだけど…。

「あ!いた、おもちー!おはよ〜」

ピクッ。

「ニャーン」

僕の名前を呼び、笑顔を向けるこの子こそ僕の名付け親、高梨悠理ちゃん。

僕が最近、住みついている学校に通う高校生。

「よしよし、今日は嬉しいニュースがあるんだよ〜」

そう言って、満面の笑みを浮かべる悠理ちゃんに僕はスリスリとすり寄った。

それにしても嬉しいニュースってなんだろう?
あ!もしかして、新作のおやつとか?

そうだったらいいな〜なんて、気楽に考えていると。

「おもちー、迎えに来たぞ〜」

大きめの籠を持って現れたのは、観月彼方くん。