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「へぇ。じゃあ、観月くんがおもちちゃん飼うことになったんだ?よかったじゃん」

「うん!本当によかったよ〜。観月くんなら安心だし」

ベッドにゴロンと横になり、私はホッと胸を撫で下ろしていた。

現在、時刻は夜の9時。

今日は久々に、花鈴と2人きりでの電話タイムだ。

いつもなら咲人もいるのだけれど、どうやら彼は学校の夏季勉強合宿でしばらく忙しいらしい。

夏休みなのに勉強三昧とはさすが進学校。
御苦労なことだ。

『うっわ…せっかく無事に期末テスト終わって優雅な夏休みなのに勉強合宿って…マジ青春なんだと思ってんの…?』

と花鈴が心底信じられないというように呟いていたことを思い出し、心の中でクスッと笑みがこぼれる。

「そっか〜。でも、結局おもちちゃんには写真でしか会えなかったな〜残念」

そう、実はつい30分ほど前、観月くんから
【じいちゃんの家でおもち飼ってもらえることになった…!】というメッセージがチャットに届いた。

それがあまりにも嬉しくてついつい花鈴に電話で報告して今に至る――。