先ほど、廊下でのやり取りを思い出し私は少し考え込んだ。
はっきりと約束をしたわけではないけど、観月くんなんか真剣そうだったしな…。
「高梨さん、もしかして今日都合悪かった?そしたら、明日とかでも全然いいよ?」
「え、あ、うーん。用事っていうかね実は観月くんが後で話があるって声かけられてたんだけど…」
「観月…?」
ピクッと反応を示した如月さんは、若干嫌そうに眉を潜めた…ように私には見えた。
『如月って実は俺と畠中と同じ中学なんだ』
『俺は…あんまり好かれてないんだけど』
その瞬間、観月くんが先ほど言っていた言葉が脳内で再生される。
あれ…?
如月さんって観月くんのこと好きなんじゃ…え?何でそんな嫌そうな…?
美術室で感じていた雰囲気と一変した彼女の態度に内心戸惑う私。
「そ、そう言えば!私、たまたま聞いたんだけど如月さん、畠中くんたちと同じ中学なんだってね。畠中くんたちの中学出身の子多いよね〜」



