覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 だが、衣茉は緊迫しなかった。

「脱出ゲームのメモじゃないですか?
 メモするところがなくて、こんなところに書いちゃってすみませんって」

「なるほどな」
と八尋は感心する。

「俺ひとりだと気づけなかったな、そんなものあまりやらないから」

 俺の友人たちと来ても気づかないかもと言う。

「普段いるのと違う人といると、新しい発見がありますよね」
と言って、衣茉は笑った。

「ノートといえば、私、『時をかけるノート』持ってましたよ」