覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


「そうですか。
 それは恐らく、なぞなぞと言えば、答えはフライパンだと思って、間髪入れずに言ってみたんじゃないですかね?」

 八尋の夢の話に衣茉はそう答える。

「何故わかるんだ。
 夢の中のキャラといえ、自分だからか」

 いや、わからないと思ったのなら、何故訊いてみたんです……と思いながら、衣茉は、

「いや、それが正解かは知りませんけどね」
と一応、付け足しておいた。

「ところで、週末は暇か」
と流れるように問われたので、

「いえ、週末は、断崖絶壁か吊り橋に行こうと思っているので、暇じゃないです」
と流れるように答える。