覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「そうか。
 吊り橋か」

 ありがとう、ヒナ、と言ったあとで、ふと、衣茉は思った。

「そういえば、ヒナとは何年も会えてないよね」

「そうだねー。
 遠くに就職しちゃったからね。

 みんなで集まるときも、なかなか、タイミング合わないしね」

「……そういえば、この間、電話の向こうの友人なんて、実は存在しなかったって本読んだんだけど」

 大丈夫だろうか。

 このヒナは、ほんとうに実在しているのだろうか?

 アルバムを開いても、ヒナの姿はなく。

 秋馬に訊いても、
「ヒナ?
 誰それ」
とか言われたりするのだ。

 そのとき、ヒナが言った。

「私ねえ、ときどき、よくあんたと長年友だちやってるなって思うんだよねー。

 今、いきなり黙り込んで、しょうもないこと考えてたでしょ」

 何故わかった……。

 友よ、さすがだ、と思いながら、電話を切った途端、秋馬からメッセージが送られてきた。