覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「じゃあ、私、次なんで」
と窓の外を振り返りながら衣茉が言う。

「森の側まで帰るのか」
「はい」

「送っていこうか」
「いいですよ」

「いや、どのみち、俺の降りるバス停はもう過ぎたから」

「えっ?
 なんで降りなかったんですか?」

 お前を送るためだろうよ……。

「話が盛り上がってたから、降りそびれたんですか?」

 ……いつ盛り上がったんだ、と思いながら、

「こっちに用事があるからだ」
と八尋は言った。