覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 隣にか?

 いや、近すぎるだろ。

 この座席、結構狭いぞ。

 腰が触れそうなくらいギュウギュウになるぞ、とおのれのガタイの大きさを考えながら思う。

 そのとき、衣茉がこちらを見上げ、
「あ」
と言った。

「もしかして、課長、窓際がよかったですか?
 ……あ、でも、課長の方が先に降りられるんですかね?」

「え、あ、どうだったかな」
と動転して言ってしまう。

 バスはもう発車しようとしていた。