八尋は衣茉と並んでバス停に向かい、歩き出した。 「用事は役所なんで、今日はいい」 「そうですか」 「……送ろうか」 「え?」 衣茉は、ちょうど来たバスの運転手さんの顔を見た。 ……いや、まあ、確かに実質、送るのは運転手さんなんだが。 そのあと、夜道は危ないから送ろうか、という意味だ、と思いながら、二人でバスに乗り込む。 ちょうどバスは空いていた。 先に通路を歩いていた衣茉が、よいしょ、と座る。 八尋は迷った。 これ、俺は何処に座ればいい?