「おい、八尋課長。
お前、今朝、女性社員と出勤してきたって本当か?」
おい、八尋課長って呼びかけどうなんだ?
と八尋は同期の吉行施太郎を見る。
っていうか、経理みたいな静かなところで、わあわあ言うなよ、と思いながらも、八尋は、この少々うるさい同期が嫌いではなかった。
なにもかもが自分と違っていて、新鮮だからだ。
普通にスーツ着てるのに、いつも、なにか何処かがチャラいのも不思議だ。
いや、こう見えて、吉行は仕事もできるのだが。
生まれつき茶色い髪をふわっと丁寧に整えている吉行の身だしなみは、きちんとはしているのだが、自分と真逆の方向に向かっているように思えた。
「たまたま、朝一緒になっただけだ」



