覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


 安定して小説が本になればな、と思っていた。

 いや、今も思ってはいるのだが。

 一度になるのは問題がある……と衣茉は焦っていた。

 特に今は会社の仕事も忙しい。

 衣茉はボロボロになりながら、沢木と秋馬、双方からの要求に応え、書き直していた。

「頑張りましょう、綾原先生。
 きっとこれは、先生の代表作になります。

 もう一息、書き直しましょう」

 沢木は笑顔で何度もそう言ってくる。