覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


「それで、部屋が片付いてると、筆が進む気がするんですよ」
と衣茉は言ったが、秋馬は、ほうほうほう、と適当な返事をする。

「あれっ?
 駄目でした?

 昨日送った恋愛もの」

「いや~、いいぞ~。
 怖いくらいいいな。

 お前のその小さな頭をつかんで、目を覚ませっ、と叫びながら、水に、バシャっとつけたいくらいいいな」

 いや、いいのなら、なんで機嫌悪いんですかっ!?
と思う衣茉に、秋馬は言う。

「できすぎてて、つまんないくらい上出来だ。
 お前、ほんとうに衣茉か?」

 そう不満げに言ったあとで、秋馬は発破(はっぱ)をかけてくる。