覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


 八尋は衣茉のだらけきった姿を見て、満足そうに微笑み、
「うん……ありがとう」
と言って帰っていった。

 衣茉はまたベランダに走り、八尋の姿を見送る。

 向こうから見えてなくとも手を振った。

 八尋は立ち止まり、こちらを見上げる。

 課長、私もありがとうです。

 やっとあなたの顔をまともに見れ、
「ゴミ捨てろ」
 以外の言葉が聞けました。

 いや、他の言葉も聞いてたけど、それが一番印象深かったので……。